妊娠前から知っておきたい
甲状腺機能のこと
気になる疲れや月経不順は
もしかしたら
甲状腺の健康が関係しているかも
近頃、月経不順だったので受診したら
「甲状腺の数値が低い。治療しなければ妊娠しにくくなる」
と言われました。
甲状腺と妊娠って関係があるの?
甲状腺と妊娠には大きな関係があります。
きちんと治療することで、妊娠時のリスクを小さく出来ます。
どんな関係や治療があるのか、見ていきましょう!
この記事では、「甲状腺と妊娠にはどんな関係があるの?」と疑問を持っている人に向けて、『甲状腺の健康を整え、妊娠時のリスクを小さくする方法』等をお伝えしていきます!
一般的な健診では検査をしない甲状腺ですが、今、20~30代の若い女性に甲状腺の病気が増えています。
ただ、症状としては「何となく疲れる」「月経不順がある」など、身体のちょっとした不調を感じる程度なので受診には至らず、見過ごされがちです。
この記事を最後まで読めば、甲状腺の健康と妊娠との関係についてわかり、妊娠時のリスクを減らすことができますよ!
この記事を書いている私は助産師で、病院やクリニックで、トータル3000件を超えるお産介助を経験。不妊治療外来の経験もあり、数々の不安・悩みを聞いてきました。30代。自身も絶賛妊活中。
妊娠・出産・子育てに不安・悩みはつきもの!今までの経験や知識を踏まえ、正しい情報をお届けします。
甲状腺と妊娠にはどんな関係があるの?【不妊や流産、早産のリスクを高める】
甲状腺とはどんな働きをしているのか
甲状腺は、首の前側の「のどぼとけ」の下にあり、蝶が羽を拡げたような形をしています。
通常は触ってもよくわかりませんが、甲状腺の機能に異常があると、徐々に腫れて触れられるようになります。
甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」の主な働きとしては、以下の2つに分けられます。
1.代謝速度の調整
2.交感神経の刺激
3.発育・発達を促す
例えば、私たちはストレスを感じたときや運動をしたとき、刺激物を摂取したときは身体がドキドキと緊張します。これは、ホルモン分泌を司る脳下垂体というところが、甲状腺に向かって「代謝を上げましょう」という命令を出し、代謝速度を上げています。
反対に、ダイエットをしているときなど、何らかの理由で十分に食べ物を食べなければ「代謝をセーブしましょう」と命令を出し、代謝速度を下げています。
このように、甲状腺の働きはまさに命を守るためのアクセルであり、同時にブレーキでもあります。
甲状腺異常には主に、アクセルがかかりっぱなしの「亢進症」とブレーキがかかりっぱなしの「低下症」の2種類があります。
不妊と甲状腺ホルモンの関係
妊娠するまでの過程を簡単に説明すると、まず、1回の月経周期で1000個ほどの卵胞が成長し、その中の一つが成熟卵胞となって排卵します。その後精子と出会い、受精卵となって細胞分裂を繰り返し、卵管を通って子宮内膜に着床することで、妊娠に至ります。
このように、妊娠するまでの過程には卵胞の成長が欠かせないのですが、卵胞の成長には様々なホルモンを必要とします。主に必要となるのは女性ホルモンですが、甲状腺ホルモンも適量ないと、卵胞が十分に発育しないことが分かっています。
また、甲状腺ホルモンが低下すると「甲状腺ホルモンが体内に足りない!」と脳が認識し、TRH(TSH放出ホルモン)という物質を脳の下垂体という部分にたくさん放出します。
その影響により、甲状腺ホルモンの分泌と同時に「プロラクチン」という卵胞の成長を妨げる役割のホルモンも分泌されるため、卵胞が成長しにくくなったり、受精卵のベッドの役割を果たす子宮内膜が十分フカフカにならなくなるとも言われています。
ここで厄介なのが、甲状腺ホルモンの値が日常生活には差し支えない程度の低値であっても、このような現象が起きることがある、という点です。自覚症状に現れないため、積極的に検査しないとなかなか見つけることが出来ません。
実際、不妊検査(採血)に甲状腺ホルモンの検査は含まれていないことが多いのですが、調べてみると機能が低下していた、ということも多いので、不妊の原因が不明で、かつ甲状腺の値が気になる方は医師に相談してみてください。
妊娠と甲状腺ホルモンの関係
妊娠すると、胎児の発育・発達のため、一時的に母体から甲状腺ホルモンが多く分泌されるようになります。
健康な方であれば徐々に元に戻っていくのですが、もともと甲状腺機能に異常がある女性が妊娠すると、胎児や胎盤の発育のバランスが崩れ、流産や早産に至る可能性が高くなります。
また、妊娠高血圧症候群などの合併症につながるリスクもあるので、月経量や周期、無月経などの自覚症状がある方は、妊娠前に検査をすることをお勧めします。
甲状腺の健康を整え、妊娠時のリスクを小さくする方法【食事は○○に注意!】
甲状腺ホルモンの材料は「ヨウ素」というミネラルになります。ヨウ素は主に「海藻」に含まれており、その他の食材にはほとんど含まれていません。
海藻の中でも、「昆布」は断トツでヨウ素を含む食材。ですが、毎日昆布を食べるとヨウ素の過剰摂取となり、甲状腺がんのリスクが高まると言われています。
昆布であれば週3回食べるのが目安。わかめはそこまで大量に含まれていないため、毎日食べても大丈夫です。
ヨウ素を多く含む食材は以下の通りです。
- 昆布(乾)…1.7㎎/g
- ひじき(乾)…1.5~2.0㎎/g
- のり1枚(3g)…0.21㎎/枚数
- わかめ(乾)…0.1㎎/g
- 昆布だし…1.15~2.26㎎/ml
- 昆布茶…0.19~8.01㎎/ml
ただ、海藻を食べないのもヨウ素が欠乏状態となり、甲状腺機能に影響を及ぼすのでおススメしません。
特に若い女性や小さい女の子のいる家庭の食事記録を見ていると、海藻の摂取量がほぼゼロというケースも少なからず見かけます。
わかめときゅうりの酢の物や、めかぶとわかめのじゃこごはんなど、ほんのひと工夫で簡単に海藻を食べられるレシピもたくさんあります。
甲状腺の健康のためにも、適度な海藻の摂取はぜひ意識しましょう!
このように、妊娠と甲状腺には深い関係があります。
この記事を読んで気になることがある場合は、ぜひ医療機関を受診し、検査を受けてみてください!
🐈飼い猫ペグちゃん日記♡
七福神にいそうなお顔。にっこりスマイル!