【助産師監修】つわりはいつまで?悪阻との違いは?症状別の対策法はコレ

つわりは妊娠中のママにとって
辛い症状ですよね
場合によっては入院が必要になる
ケースもあります
今回は症状別の対策について
ご紹介します

妊娠が分かってからつわりがひどくて…
これっていつまで続くの?どうしたら少しは楽になるのかな

助産師ミワ
助産師ミワ

妊娠がわかるといろいろ体の変化が表れる中、つわりは特につらいですよね。

今回はつわりの種類と対処法についてお話しします!

この記事では、「つわりはいつまで続くの?どうしたら楽になる?」と疑問を持っている人に向けて、『つわりを軽減させる対策について【食べ物・飲み物・におい対策はコレ!】』等をお伝えしていきます!

多くの人が悩まされるつわり…程度や症状は様々ですが、辛いですよね。
これがいつまで続くのか、どうしたら楽になるか、不安になりますよね。

この記事を最後まで読めば、つわりの時期や対策についてわかり、少しでも楽に過ごすことができますよ!

本記事の内容
  1. つわりを軽減させる対策について【食べ物・飲み物・におい対策はコレ!】
  2. つわりの時期とその種類について【吐きたいけど吐けないつわりもある?】
  3. 妊娠悪阻とつわりの違いは?こんな症状があれば受診して!
この記事を書いている私は助産師で、病院やクリニックで、トータル3000件を超えるお産介助を経験。不妊治療外来の経験もあり、数々の不安・悩みを聞いてきました。30代。自身も絶賛妊活中。
妊娠・出産・子育てに不安・悩みはつきもの!今までの経験や知識を踏まえ、正しい情報をお届けします。

つわりを軽減させる対策について【食べ物・飲み物でおすすめはコレ!】

つわりが辛いときは、とにかく「少量を頻回に」摂ることが基本です。
つわりの多くは

  • 空腹時に気持ち悪くなる
  • 嘔吐を繰り返すことで脱水状態になり気持ち悪くなる
  • 食後に胃もたれしたように気持ち悪くなる

等の症状が出ます。


これは、妊娠すると黄体ホルモン(プロゲステロン)が上昇し、「平滑筋」という筋肉を弛緩させます。これは、子宮が「平滑筋」から出来ているので、妊娠中、子宮が収縮しないよう赤ちゃんを守っている仕組みになっています。
一方、消化器系の筋肉も「平滑筋」から出来ているため、食道や胃、腸もいつも以上に活動が鈍くなります。

これに加え、子宮が弛緩することで子宮壁が大きくなり胃を圧迫するため、胃の中に入れる食べ物の量が少なくなります。
なので、いつものように通常量を食べていると胃の中に食べ物が停滞し、気分不良を起こしやすくなるのです。 

このことから、いずれのケースでも食べ物を「少量」ずつ「頻回」に摂ることで症状が緩和されることが多いです。
では、どのような食べ物がつわりの時におすすめなのでしょうか。

おすすめの食べ物は?【ビタミンB6・生姜が効く!】

ビタミンB6

つわりの中でも、消化器系の症状を軽減させるのに医学的に証明されている栄養素は「ビタミンB6」です。
妊娠中は18~49歳で1日1.4㎎の量を摂ることが推奨されており、摂取上限量の目安は1日45㎎です。
ビタミンB6は水溶性ビタミンで水に溶けやすく、過剰摂取された分は尿として排出されます。
ビタミンB6には吐き気や食欲不振などの症状を緩和させる効果があるため、軽度のつわりであれば効果を実感する方も多くいらっしゃいました。
実際、産婦人科でもつわりを軽減するためにビタミンB6を処方することもあります。
また、ビタミンB6には葉酸の働きを助ける役割もあるので、葉酸のサプリを飲んでいる方も積極的に摂ることをおすすめします。

ビタミンB6が多く含まれている食材は

かつお・まぐろ・鮭・いわし
豚ヒレ・鶏ささみ
野菜赤パプリカ・さつまいも・ブロッコリー・かぼちゃ
フルーツバナナ・いちご
主食玄米ごはん・ライ麦パン


中でも、フルーツは食欲がない時も食べやすく、水分も摂れるのでおすすめです。
特にバナナには多く含まれており、1本分(150g)で約0.57㎎のビタミンB6が摂取できます。
バナナのにおいが気になる方は、小さく切って凍らしておくとにおいが軽減され、食べやすくなりますよ!

生姜

また、海外では古くから「生姜」がつわりに効くとされており、日本の産科医も含めて広く指導されています。
オーストラリアの大学の研究によると、生姜1g(すりおろした生姜小さじ1杯分)が、ビタミンB6と同じぐらい効いたという研究結果が出ています。
生姜は胃液の分泌を促進し、消化吸収を高めること、また生姜に含まれるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンとい った成分が嘔吐を抑える可能性があることから、つわりに効くとされています。

主な栄養素としてはビタミンB1、B2、C、E、ナイアシン、葉酸、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンなど。生姜には身体を温め、新陳代謝を上げ免疫力を高める作用もあるため、妊娠中すべての期間を通して摂りたい食材です。


チューブの生姜を料理に加えたり、生姜湯や生姜飴などもおすすめです。においや辛みが気になる方は、レモンやオレンジを加えると飲みやすくなるかもしれません。

冷たい食べ物


冷奴や冷やし中華、素麺、サンドイッチなど、冷たい食べ物は食べやすいです。トマトやキュウリなどもさっぱりとしていますね。
温かいごはんもにおいが気になる方は、冷やして食べてみるのもひとつです。
ただし、冷たい食べ物を食べすぎると体を冷やすため、食べた後は白湯や生姜湯を飲んで体を温めるなどして、血液を冷やしすぎないようにしてください。

おすすめの飲み物は?【炭酸水・梅ジュース】

吐きづわりで何も食べられないときは、脱水にならないよう、飲み物はできる限り摂るようにしましょう。脱水になるとさらに気分が悪くなり、めまいや尿量の減少、動悸、口の渇きなどの症状が出てきて後述する妊娠悪阻に進展してしまいます。
ただし、一気に飲むと気分が悪くなるので、飲み物も少量を頻回に摂るようにしましょう。

炭酸水

つわり対策で多くの妊婦さんに効果があるのが炭酸水です。
無味からレモン風味などいろんな種類の炭酸水が近年発売されているので、お気に入りの炭酸水を見つけましょう。
また、炭酸水は満腹効果もあるので、食べづわりや「空腹は気持ち悪いけど食べるのも辛い」という方にもおすすめです。

梅ジュース

梅干しは胃腸の動きを活発にするため、食欲がないときもおすすめです。
そんな梅をジュースにすると、さらに飲みやすくなった!とたくさんの妊婦さんが言われていました。
市販のものでもいいですし、お家で手作りしてみてもいいですね

つわりの時期とその種類について【えずくだけで吐けないつわりもある?】

つわりは多くは妊娠5~6週から始まり、8~9週でピークを迎え、胎盤が完成する妊娠16週頃には症状が治まってくることが多いです。
ただしつわりの時期には個人差があり、中には出産までつわりが続く方や、一旦治まるものの、妊娠後期に同じような症状が出る「後期づわり」がある方もいます。
初期づわりの原因は妊娠による急激なホルモン変化が一因といわれていますが、「後期づわり」は大きくなった子宮が胃を圧迫することで、吐き気や食欲不振を引き起こしたり、腸を圧迫することで便秘がちになったりするものです。発生する原因は違っても、初期と同じような症状が出ます。


一方、つわりのない方も20%程いますが、つわりがないからと言って特に心配する必要はありません。
「つわりがキツイ方が赤ちゃんは元気」といった迷信もあるようですが、科学的根拠はないので、安心してくださいね。

つわりの症状や程度は妊婦さんによって様々ですが、多くの人が経験するつわりは以下の3種類です。

吐きづわり

吐き気や嘔吐が繰り返されるつわりです。1日中吐き気がある方もいれば、午前中だけ、午後だけと時間帯によって変わる方もいます。
何度も吐くのは辛いですし、赤ちゃんにちゃんと栄養がいくのか心配ですよね。

妊娠初期の赤ちゃんの横には「卵黄嚢」という赤ちゃんの栄養のもとになるものがくっついており、赤ちゃんはそこから栄養をもらっています。妊娠5~6週頃、胎嚢内に白く光るリングが見えれば、それが卵黄嚢。赤ちゃんのお弁当みたいなものですね!
なので、多少お母さんが食べられなくても赤ちゃんは十分育ちますので、安心してください。

吐きづわりの場合は、食べたいものを少量ずつ食べるようにしてください。
消化のいい素麺やバナナ、豆腐などがおすすめですが、それもダメなようなら氷をなめるようにしてください。電解質や糖分を含んだポカリスエット等や、経口補水液(OS-1等)を凍らせてなめるようにすると、脱水予防になりますよ。

食べづわり

空腹時や何かを口にしていないと気持ち悪くなったりするつわりです。胃の中が何かで満たされていないと辛く、食べ物のことばかり考えてしまう人もいます。

食べづわりの場合は、食べたいものを食べていては過剰に体重増加し、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など妊娠中に合併症となるリスクが高まります。
味覚が偏ることも多く、味の濃いものや脂っぽいもの、しょっぱいもの、甘いものばかり食べたくなる!という方も多いのですが、
○○ばかり食べる、というのはよくありません。

食べすぎが気になる方は、こまめな運動を増やしたり、こんにゃくゼリーやトマト、キュウリなどの野菜を食べるといいでしょう。

においづわり

特定のにおいを嗅ぐと気分が悪くなってしまうつわりです。炊きたてご飯のにおいやスーパーのにおいなど、反応するにおいは人それぞれです。

においづわりの場合は、マスクが効果的です。最近はマスク用のアロマスプレーなども発売されており、お気に入りのにおいをスプレーするのもリラックス効果が期待できます。
あとは、料理も湯気が立たないよう火を使わない料理にしたり、レンジで簡単に調理できるものを活用するのもおすすめです。

その他、つわりと言われる症状には以下のようなものがあります。

  • 食欲不振
  • 唾液が出る
  • 眠い・だるい・無気力
  • 頭痛
  • イライラする

また、週数によってもつわりの種類が変わったり、つわりの症状が重なったりもします。

私は妊娠5週から吐きづわりでずっと吐いてたんですが、8週頃から急に食べづわりに変わりました。食べられるので嬉しかったんですが、空腹になると気持ち悪いのは変わらなかったのでしんどかったです…

私は空腹になると気持ち悪くなり少し食べるのですが、食べるとまた気持ち悪くなってトイレで何度もえずいてしまいます。吐けないからずっと気持ち悪くて…


このように、途中からつわりの種類が変わったり、「吐きづわり」と「食べづわり」の間のような症状の方もいます。
吐くつわりもしんどいですが、吐けないつわりもずっと気持ち悪さが続くのでしんどいですよね。
辛さは自分にしかわからないので、こればかりは人と比べるものではありません。出来る工夫をいろいろ試してみて、自分に合った対策を見つけていきましょう。

妊娠悪阻とつわりの違いは?こんな症状があれば受診して!

妊娠悪阻はつわりが重症化した「病気」です。つわりは「症状」ですが、妊娠悪阻は病気であり治療が必要になります。
妊婦の約0.5~2.0%が発症し、特に初産婦に発症するケースが多いですが、重症化するのは経産婦の方が多いと言われています。
重篤な合併症は、ウェルニッケ脳症というビタミンB1の摂取が不足することで起こる脳症です。意識障害や運動失調が引き起こされ、治療が遅れると記憶力の低下などは改善されない例もあります。

その他、脱水になることで「血栓」という血の塊が出来て肺や心臓などの血管を塞いでしまったり、肝臓や腎臓などに障害を引き起こす危険性もある怖い病気です。

では、どんな症状があれば妊娠悪阻を疑い、受診すればよいのでしょうか。

吐き気が強く、水も飲めない

水を飲んでも吐くほど吐き気が強く、数日間食事も水分も摂れていなければ要注意です。
激しい嘔吐を繰り返すと胃液を吐くようになり、さらにひどくなると吐いたものに血や緑色の胆汁が混じることもあります。この段階まで進むとセルフケアでは改善されにくいので、早めに産婦人科を受診しましょう。

体重が5%以上減少した

食事や水分が摂れず、数日間で非妊時の5%(非妊時の体重が50㎏なら2.5㎏、45㎏なら2.25㎏)以上の体重減少を伴うときも要注意です。
急激な体重減少によりめまい、疲労感、ふらつきなども生じることも多くなります。

日常生活に支障をきたすため、車の運転は避け、早めに産婦人科を受診しましょう。

尿の量が減り、濃くなった

トイレに行っても少量の尿しか出ず、その色が濃い場合は脱水症状を起こしているかもしれません。
水分が摂れ、改善していくようなら様子見でもいいのですが、頻繁に嘔吐が続き改善する見込みがなければ受診してください。
身体は十分なエネルギー確保ができないと、脂肪を分解しケトン体という老廃物を蓄積します。このケトン体が蓄積された状態をケトーシスといい、尿検査でケトン体が出るようなら点滴治療が必要な場合があります。

いかがでしたでしょうか。
つわりは身体的にも精神的にも辛いですよね。ただ、通常であれば辛い時期はそれほど長くは続きません。
ただ、長い間食事や水分が摂れず、めまいやしびれなどの症状が出た場合は、我慢せずすぐ病院を受診してください。あなたのためにも赤ちゃんのためにも、万が一の事態が起きてからでは遅いので、不安であれば次の受診を待たずに病院に相談してくださいね。


🐈飼い猫ペグちゃん日記♡
すやすやよく眠るペグちゃん。妊娠中も眠くなりますよね。

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